石清水物語

本  文



設問1

「心は心として、胸のみ騒ぐを静めて」とあるが、ここで「心は心として」とはどのような意味か、説明しなさい。

設問2

「あやしうも踏み迷ひ給へる緒絶をだえの橋かな」とあるが、この表現が示す意味を答えなさい。


「宮の喪が明けたら、姫君を邸に迎えよう」とおっしゃっていました。姫君は長い間、埋もれ木のように過ごしていましたが、関白殿に知られて、その娘として認められることになったのは、私にとってもとても嬉しいことです。しかし、今まで片時も離れずに慣れ親しんできた姫君と別れるのは、耐えられないほど辛いことです」と言って、尼上は目を押さえて涙を拭いました。伊予守も涙が自然とこぼれ落ちるのを感じ、気恥ずかしく思いながらもごまかそうとしました。「故宮がお亡くなりになった後、男君たちだけがいる所に迎えられるとしたら、姫君は頼る人がいなくて住みにくいと感じるでしょう。」


設問3

「御忌み果てば、迎へ奉らん」とあるが、この「御忌み」とは何を指しているか、説明しなさい。

設問4

「目押し拭へば」とあるが、ここでの「目押し」とは何を意味しているか、説明しなさい。


もし姫君の存在が関白殿に知られたならば、姫君の処遇が確定するまでの間は、姫君を関白殿の邸に移すよりも、このまま一緒にいる方が良いと考えました。姫君の部屋に近く、そちらから吹いてくる風も心地よく感じられるので、分別ある様子でそう言いました。尼上も「なるほど、それももっともなことだ」と思いました。中納言は姫君と兄妹であっても、幼い時から寄り添って慣れ親しんだことがなく、今初めて見つけたような人のことを他人だと思って、すっかり夢中になってしまうような心は、あってはならない仲だと聞いて理解しても、完全に恋心がない状態にはならないだろうと推測しました。この姫君の美しさを見た人は、普通ではいられないほどの美しさだと感じ、伊予守は不安に感じるのでしょう。


設問5

「尼上も、『げに、さること』と思ふ」とあるが、尼上がそう思った理由を説明しなさい。

設問6

「後ろめたきなるべし」とあるが、どういう意味か説明しなさい。

「『うつほ物語』の絵巻を姫君に差し上げたのも、他の物語ではなく、あの『うつほ物語』なのだと思わずにはいられませんでした。そして、『うつほ物語』の登場人物である仲澄の侍従に中納言ご自身をなぞらえているのだろうかと自然に思い巡らせました。あの方(中納言)は、どのような状況でも、姫君を近くで見ていることで、物思いを晴らして過ごすことができるだろうと思いました。」


私は、雲のかなたのような遠くにいる姫君を見られると期待することもできず、嘆きが加わって、何の価値もない自分の身を物思いで砕くとしても、姫君がほんの少しの情けもかけてくれるはずもないのに、どうやって心を晴らす方法があるだろうか。いや、私には心を晴らす方法もない。そう思い続けると、人知れず悲しみに沈んでぼんやりと物思いにふけっていた。


設問7

「仲澄の侍従に思ひよそへ給ふにや」の「にや」の後に省略されている語句を答えなさい。

設問8

「数ならぬ身ひとつを砕くとも」の「数ならぬ身」とは何を指しているか。

探究的な考察

漢王朝の美趙飛燕(中国ドラマ)※日本語字幕が使えます