《Point》石黒浩の「鏡としてのアンドロイド」は、人間の技術開発が人間自身の能力に基づいていることを述べています。技術開発を通じて人間を理解することができるとし、アンドロイドの開発を通じて人間の本質を探求しています。
要 約
筆者は自分の脳の断層写真を見たときの感覚や、鏡に映った自分の顔を例に挙げて、人間が自分自身を完全には理解していないことを指摘します。他人を鏡として自分を理解することが重要であり、アンドロイドもその役割を果たす可能性があると述べます。また、アンドロイドの表情の豊かさと人間の表情の乏しさについて考察し、人間の魅力はその乏しい表情にあるとしています。さらに、心の本質についても触れ、心が分散していると考えます。最終的に、技術開発や芸術を通じて人間を理解しようとすることが人間の創造的な活動の根源であると結論づけます。
問 題
※ 本文をよく読んで以下の問題に答えなさい。
第一段落
「人間の能力に基づく技術の発展」
第一段落について、以下の設問に答えなさい。
第二段落
「アンドロイド開発と人間の自己理解」
第三段落
「心の本質とその分散性についての考察」
第四段落
「創造と自己理解の二つの側面」
探求的な考察
以下はさくらとあやかが本文の内容に関して議論している会話文です。( a )~( e )に入る言葉を後から選んで記号で答えなさい。
さくら: 「石黒浩の『鏡としてのアンドロイド』を読んだけど、アンドロイドが本当に人間の感情を理解できるとは思えないな。結局、感情を( a )するだけで、本当に感じることはできないんじゃない?」
あやか: 「それは一理あるけど、アンドロイドが感情を( a )することで、人間の行動や感情をより深く理解する手助けになると思うよ。例えば、介護や教育の現場でアンドロイドが活躍することで、人手不足を補えるし、質の高いサービスを提供できるんじゃないかな。」
さくら: 「でも、アンドロイドが人間の( b )を奪う可能性もあるよね。特に、介護や教育の現場でアンドロイドが増えると、人間の( b )が減ってしまうんじゃないかって心配だよ。」
あやか: 「確かにそのリスクはあるけど、アンドロイドが人間のパートナーとして( c )することで、新しい仕事や役割が生まれる可能性もあると思うよ。技術の進化は常に新しい機会を生み出してきたし、アンドロイドもその一部だと思う。」
さくら: 「それに、( d )的な問題もあるよね。アンドロイドが人間と同じ権利を持つべきかどうかとか、どこまで人間に似せるべきかとか。技術が進化する中で、私たちがどう向き合うかが問われるよね。」
あやか: 「そうだね。でも、アンドロイドが人間の鏡として機能することで、私たち自身の価値観や( e )を見直すきっかけにもなると思うよ。アンドロイドを通じて、人間らしさや共感の大切さを再認識することができるんじゃないかな。」
さくら: 「うーん、確かにそういう面もあるかもしれないけど、やっぱり私はアンドロイドが人間と同じように感情を持つことはできないと思うし、その限界を理解した上で技術を使うべきだと思う。」
あやか: 「それも一理あるね。でも、技術の進化を恐れるよりも、その可能性を最大限に活かす方法を考えることが大切だと思うよ。アンドロイドが私たちの生活を豊かにする手助けになると信じてる。」
【選択肢】
- 倫 理
- 偏 見
- 共 存
- 模 倣
- 仕 事