漁夫の利

 「漁夫の利」は中国の戦国時代に由来する故事成語です。(『戦国策』)

  1. 《 内 容 》
    • 物語はどぶがいとシギの争いから始まります。どぶがいが日光浴をしていると、シギがその肉をついばもうとします。どぶがいはシギのくちばしを殻で挟み、両者は互いに動けなくなります。そこに漁師が現れ、両方とも捕まえてしまいます。
  2. 《 背 景 》
    • この故事は、蘇代恵文王に対して、両国が争っている間に第三者(強国の)が利益を得る可能性を警告するために語られました。このように、当事者同士が争っている隙に第三者が利益を横取りすることを「漁夫の利」と言います。

本 文

【 訓 読 文 】

 いま、私が(ここに)来るとき、易水を通り過ぎました。どぶがいがちょうど(水面に)出て、ひなたぼっこしていました。そこで、しぎ(鴫)がその(どぶがいの)肉をついばもうとしました。どぶがいは(貝殻を)合わせてその(鴫の)くちばしを挟んでしまいました。しぎが言うことには、「今日、雨が降らず、明日も雨が降らなければ、すぐに(ひからびて)死んだどぶがいができあがるだろう。」と。(しかし)どぶがいもまたしぎに向かって言うことに、「今日(くちばしが貝殻から)出ず、明日も(くちばしが貝殻から)出なければ、すぐに死んだ鴫ができあがるだろう。」と。両者とも、互いを放すことを承諾しませんでした。(そのとき)漁師がこれら(どぶがいと鴫)両方を一緒に捕らえてしまいました。

『漁夫之利(漁夫の利)』書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説

『漁夫之利(漁夫の利)』テストで出題されそうな問題

《 参 考 》故事成語アニメ 漁夫の利