本 文
【 白 文 】
今者臣來過易水。蚌方出曝。而鷸啄其肉。蚌合而箝其喙。鷸曰、「今日不雨、明日不雨、即有死蚌。」蚌亦謂鷸曰、「今日不出、明日不出、即有死鷸。」両者、不肯相舎。漁者得而并擒之。
【 訓 読 文 】
【 書き下し文 】
今者臣の来たるとき、易水を過ぐ。蚌方に出でて曝す。而して鷸其の肉を啄ばむ。蚌合して其の喙を箝む。鷸曰く、「今日雨降らず、明日雨降らずんば、即ち死蚌有らん」と。蚌も亦鷸に謂ひて曰はく、「今日出でず、明日出でずんば、即ち死鷸有らん」と。両者、相舎つるを肯ぜず。漁者得て之を并せ擒ふ。
【 上の文章をひらがなだけの書き下し文にしてください 】
【 口語訳 】
いま、私が(ここに)来るとき、易水を通り過ぎました。どぶがいがちょうど(水面に)出て、ひなたぼっこしていました。そこで、しぎ(鴫)がその(どぶがいの)肉をついばもうとしました。どぶがいは(貝殻を)合わせてその(鴫の)くちばしを挟んでしまいました。しぎが言うことには、「今日、雨が降らず、明日も雨が降らなければ、すぐに(ひからびて)死んだどぶがいができあがるだろう。」と。(しかし)どぶがいもまたしぎに向かって言うことに、「今日(くちばしが貝殻から)出ず、明日も(くちばしが貝殻から)出なければ、すぐに死んだ鴫ができあがるだろう。」と。両者とも、互いを放すことを承諾しませんでした。(そのとき)漁師がこれら(どぶがいと鴫)両方を一緒に捕らえてしまいました。
『漁夫之利(漁夫の利)』書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説
答 え
いましんのきたるとき、えきすいをすぐ。ばうまさにいでてさらす。しかしていつそのにくをついばむ。ばうがっしてそのくちばしをはさむ。いついはく、「けふあめふらず、あすあめふらずんば、すなはちしばうあらん」と。ばうもまたいつにいひていはく、「けふいでず、あすいでずんば、すなはちしいつあらん。」と。りゃうしゃあひすつるをがへんぜず。ぎょしゃえてこれをあはせとらふ。