土佐日記 帰京

【アニメで古文】土佐日記・帰京(あらすじまとめ)

本  文

本文中の助動詞(登場順)

たり」「」「なり」「やうなり」「」「けり」「」「さす」「」「」「」「」「けむ」「まし

口 語 訳

問  題

探究的な考察

 答  え

Ⅰ ()まれも/帰らものを/わが宿に/小松のあるを/見るが悲しさ

(この家で)生まれたわが子も(土佐で死んで一緒に)帰らないのに、(留守の間に)私の家に小松が生えているのを見るのが悲しいことよ。

  • 対句: 「生まれしも帰らぬもの」と「わが宿に小松のある」を対にして、家に帰れない子供と家の小松を対比している。
  • 象徴: 小松(小さな松の木)は、かつて家に住んでいた子供の象徴として使われている。松は長寿の象徴でもあり、時間の経過とともに変わらないものとしての意味も込められる。
  • 感嘆詞: 「見るが悲しさ」で悲しみの強さを表現。「が」は感嘆の意味を強調。

 作者は紀貫之です。土佐日記には次のように書かれています。作者が久しぶりに帰った家の庭で、新しく生えている松を見て、赴任先の土佐で亡くなった我が子のことを思って詠んだ歌。「生まれし」の後ろに「」や「幼児」などを補って解釈をするとよりわかりやすくなります。そう考えると、「小松」の「」は、「生まれし」のあとに隠されている「」と掛けたものと理解でき、我が子(短命)は死んでしまったのに、庭の松の子(寿命が長いと考えられている)は健やかに育っているという対比が生まれ、我が子を失った悲しみがよりいっそう強まります。

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 Ⅱ 見人の/松の千年に/見ましかば/遠く悲しき/別れせまし

亡くなった女の子が松のように千年の寿命があるものと見ることができたなら、遠い(土佐での)悲しい(死の)別れをしたであろうか。いや、しなかっただろう。

  • 反実仮想:「〜ましかば〜まし」で反実仮想を表し、「もし〜だったら〜だっただろうに」と訳す。
  • 反語: 「遠く悲しき別れせましや」の「や」は「反語」(係助詞)を表し、「~か。いや、~ではない」と訳す。
  • 象徴: 松の木は長寿の象徴であり、時間の流れとともに変わらないものとして使われて、別れの長さと深さがさらに強調される。
2025年3月
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