学習のステップ
朗読や解説動画 を見て、全体のストーリーや雰囲気を感じ取ってみましょう。
原文と現代語訳 を交互に読みながら、内容のつながりを自然に理解していきましょう。
助動詞・文法・語句のポイント を確認しながら、基礎的な知識を身につけていきましょう。
確認問題に挑戦! 解き終わったら模範解答で、自分の理解度をチェックしてみましょう。
記事の最後にある 「探究的な考察」 も忘れずにチェックして、思考を広げてみましょう!
本 文
養ひ飼ふものには、馬・牛。繋ぎ苦しむる こそ いたましけれど、なくてかなはぬものなれば、いかがはせ (a)ん。犬は、守り防ぐつとめ、人にもまさりたれば、必ずあるべし。されど、家ごとにあるものなれば、ことさらに求め飼はずともありな(b)ん。
「飼うべき動物として、馬と牛がいる。繋いで苦しめるのは痛ましいが、これらがいなければ困るので仕方がない。犬は(家を)守るという役割があり、人間にも劣らない存在なので、必ず飼うべきだ。しかし、どの家でも飼われているので、わざわざ求めて飼う必要はないだろう。
その外の鳥・獣、すべて用なきものなり。走る獣は檻にこめ、鎖をさされ、飛ぶ鳥は翅を切り、籠に入れられて雲を恋ひ、野山を思ふ愁へ、止む時なし。その思ひ、我が身にあたりて忍び 難くは、心あらん人、これを楽しまん や。生を苦しめて目を喜ばしむるは、桀・紂が心なり。王子猷が鳥を愛せし、林に遊ぶを見て、逍遥の友としき。捕へ苦しめたる にあらず。およそ、「めづらしき禽、あやしき獣、国に育はず」とこそ、文にも侍るなれ。
その他の鳥や獣など、すべて役に立たないものだ。走る獣は檻に入れられ、鎖で繋がれ、飛ぶ鳥は羽を切られ、籠に入れられて雲を恋しがり、野山を思い悩むことが絶えない。その思いは我々自身にも当てはまり、耐え難いものだ。心ある人間が、これを楽しむことができるだろうか。生命を苦しめて目を楽しませるのは、桀と紂の心のようだ。(風流人の)王子猷は鳥を愛し、林で遊ぶのを見て、逍遥の友とした。それは捕えて苦しめることではない。だいたい「珍しい鳥、奇妙な獣、国で育てない」と、書物にも記されている通りだ。
問題
問一 傍線部(a)・(b)の助動詞の文法的意味と活用形を答えよ。
問二 以下の傍線部の「む」のうち、「推量」となるものを記号で答えよ。
(1)男はこの女をこそ得 めと思ふ。
(2)思は む子を法師になしたらむこそ心苦しけれ。
(3)子といふもの、なくてありな ん。
(4)心あらん人、これを楽しま んや。
問三 以下の傍線部の助動詞の意味をあとから選び、記号で答えよ。
(1)この殿の父、討たれぬと聞いて、いかばかりか嘆き給は んずらん。
(2)もし人手にかからば自害をせ んずれば、
〈 ア 推量 イ 意志 ウ 適当・勧誘 エ 仮定・婉曲 〉
問四 本文をよく読んで、筆者が考える「犬」を飼うべき理由を簡潔に答えよ。
問一 (a) 意志 連帯形 (b) 推量 終止形
問二 (4)
問三 (1)ア (2)イ
問四 犬は家を守り、外敵を防ぐ働きが人よりも優れているから。
さやか:この兼好法師って、矛盾してない?馬牛は「繋ぎ苦しむこそいたましけれど」って言いながら結局飼うじゃん。
なつみ:でも実用的だから仕方ないって言ってるし。昔は必要だったんでしょ。
さやか:必要って言い訳でしょ。それなのに鳥は「心あらん人、これを楽しまんや」ってバッサリ切り捨ててるし。
なつみ:あー、でもそれって娯楽で飼うなってことじゃない?「雲を恋ひ、野山を思ふ」とか、動物の気持ち考えてるよね。
さやか:それはそうかも…。檻に入れて「生を苦しめて目を喜ばしむ」って、確かに残酷だよね。
なつみ:そうそう!王子猷の話も出してるし、自然のままの動物を愛でるのが良いって言ってるんだと思う。
さやか:なるほど。実用と娯楽を分けて考えてるのか。でも結局人間中心だよね。
なつみ:まあそうだけど、昔の人にしては動物の気持ち考えてる方じゃない?
さやか:うん、確かに。現代でもペット飼ってる私が言えることじゃないかも。





