
語句の意味など
(暗くむごたらしい雰囲気の雲を意味します)
(トシが食事に使ったとされる器)
(赤みを帯びた灰白色、詩で描かれる空の色の比喩です)
(墓石や記念碑にも多く使われる石材です)
(個体と液体が混じり合った「二相系」の象徴)
…仏教における「六欲天」の第四天。弥勒菩薩が住むとされる天界です。
(仏教の天界のひとつです)
妹の死を悲しむだけでなく、その魂の救済も願っています。
【4】確認テスト
タクマ「この『あめゆじゅとてちてけんじや』って花巻弁、めちゃくちゃ切ないな。」
アイリ「『雨雪を取って来てください』でしょ?妹のトシが最期に頼んだ言葉なんだよね。24歳で亡くなるなんて…」
タクマ「しかも、宮澤賢治は本当にその雨雪を持って来たんだろ?『二相系』って理科的な表現使うところが賢治らしいよ。」
アイリ「氷と水が混じったみぞれね。でも科学的な言葉の中に、妹への愛情がにじんでるのがすごい。」
タクマ「『やさしくあをじろく燃えてゐる』も印象的だった。命の炎が消えかかってる比喩なんだよね。」
アイリ「最後の『Ora Orade Shitori egumo』が一番グッときた。『私は私ひとりで行きます』って…トシの覚悟が伝わってくる。」
タクマ「賢治って日蓮宗だったから、『兜率の天』とか仏教の世界観も出てくるんだな。妹の魂の救済を願ってるのが分かる。」
アイリ「ただ悲しむだけじゃなくて、トシの幸せも願ってるところが賢治の優しさよね。」
タクマ「そういえば夏目漱石の『こころ』のKも、浄土真宗の寺の出身なのに日蓮を深く尊敬していて、『精神的に向上心のないものは馬鹿だ』って言葉も房州の旅で日蓮誕生の地を訪ねたときに出てくるんだよな。」
アイリ「Kって信仰と道のためにはすべてを犠牲にするっていう信条を持っていたのに、お嬢さんへの恋に苦しんで、しかも親友の先生に出し抜かれて自殺してしまうんだよね。」
タクマ「先生がKの信条を逆手に取って恋を封じようとしたのに、結局Kの方が人間として立派だったっていう皮肉が切ない。」
アイリ「信仰や道を貫こうとしながらも、最後は人間としての弱さと裏切りに傷ついた——賢治のトシへの詩とはまた違う形の、魂の痛みよね。」
タクマ「そうだな。現代語訳だけじゃ伝わらない、方言や古い表現の重みがよく分かった。」






