学習のステップ
朗読や解説動画 を見て、全体のストーリーや雰囲気を感じ取ってみましょう。
原文と現代語訳 を交互に読みながら、内容のつながりを自然に理解していきましょう。
助動詞・文法・語句のポイント を確認しながら、基礎的な知識を身につけていきましょう。
確認問題に挑戦! 解き終わったら模範解答で、自分の理解度をチェックしてみましょう。
記事の最後にある 「探究的な考察」 も忘れずにチェックして、思考を広げてみましょう!
朗 読

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時代 | 鎌倉末期〜南北朝時代(14世紀) |
| 身分 | 僧侶・歌人・随筆家 |
| 代表作 | 『徒然草』(244段) |
| 文学ジャンル | 日本三大随筆の一つ |
| 主要テーマ | 無常観(物事のはかなさ) |
| 文学史的意義 | 随筆文学の発展に貢献 |
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本 文
ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師の言はく、「初心の人、①二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度ただ後の矢なく、この一矢に定む (a)べしと思へ。」と言ふ。わづかに二つの矢、師の前にて一つを ②おろかにせんと思はんや。懈怠の心、自ら知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたる (b)べし。
ある人が、弓を射ることを習う時に、対になった二本の矢を手に挟んで持って的に向かった。(すると、その)師匠が言うことには、「初心者は、二本の矢を持ってはいけない。二本目の矢をあてにして、一本目の矢をおろそかにする気持ちが生じる。(だから)毎回ただ二本目の矢はなくて、この一本の矢で決めようと思え。」と言った。わずかに二本の矢、(しかも)師匠の前で(そのうちの)一本をおろそかにしようと思うだろうか。(いや、思わないだろう。)(二本目をあてにする)なまけ怠る心は、自分自身では気がつかないといっても、師匠はこれを(ちゃんと)知っている。この戒めは、(弓道に限らず)全てのことに通じるにちがいない。
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに 修せんことを期す。いはんや、一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。②なんぞ、ただ今の一念において、ただちにすることのはなはだ 難き。
仏道を修行する人が、夕方には翌朝があるようなことを思い、(また)朝には(その日の)夕方があるようなことを思って、(後で)もう一度丁寧に修行するようなことを心づもりする。(このような人は)まして、(今のこの)極めて短い時間のうちに、なまけ怠る心があることに気づくだろうか。(いや、気づかないだろう。)(人間にとって)どうして、現在の一瞬において、すぐに実行することがひどく難しいのか。
問題1
傍線部①について、なぜ師は「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。」と教えたのか、その理由を説明しなさい。
問題2
傍線部②について、「おろかに」とほぼ同じ意味の名詞を平仮名四字で本文から抜き出しなさい。
問題3
傍線部③「なんぞ、ただ今の一念において、ただちにすることのはなはだかたき。」を口語訳しなさい。
問題4
本文中の(a)、(b)それぞれの「べし」の意味を答えなさい。
応用問題
この段は、弓を射ることの技術的な指導だけではなく、人生の生き方についての教訓も含まれていると考えられる。この段から、人生の生き方についてどのような教訓を得ることができるだろうか。

解答1
初心者は二本目の矢をあてにして、一本目の矢をおろそかにする気持ちが生じるから。
解答2
なほざり
解答3
どうして、現在の一瞬において、すぐに実行することがひどく難しいのか。
解答4
(a)意志 (b)推量
応用問題 解答例
この段から得られる教訓として、次のようなものが挙げられる。
- 何かを成し遂げようとするとき、その一瞬に集中して、迷わずに行動することが大切である。
- 何かを成し遂げようとするとき、失敗を恐れてはならない。
- 何かを成し遂げるとき、継続的な努力が必要である。

モトヨシ:「今日の古文、徒然草の弓の話だったけど、なんか難しかったな。『後の矢を頼みて』とか、結局何が言いたいのかよくわからなかった。」
ミシマ:「ああ、あれね。要するに予備があると手を抜くから、最初から本気でやれってことでしょ。」
モトヨシ:「え、そういう意味なの?てっきり弓の技術的な話かと思ってた。」
ミシマ:「いや、表面的には弓の話だけど、実際は人生論だよ。『この戒め、万事にわたるべし』って書いてあったじゃん。全てのことに通じるって意味。」
モトヨシ:「ああ、そうか。でも正直、そんな深く考えるの面倒くさいよね。共通テストに出るのかな、これ。」
ミシマ:「これは有名すぎて出ないと思うけど、似たような内容の漢文とか、他の古文はありそうだね。てか、この話って結構現代的だと思わない?例えば、勉強してる時とかさ。」
モトヨシ:「どういうこと?」
ミシマ:「ほら、『明日やればいいや』とか『まだ時間あるから』とか思っちゃうでしょ?それが『後の矢を頼む』ってことなんだよ。」
モトヨシ:「あー、なるほど!確かにそれはあるかも。でも、計画的にやるのって大事じゃない?」
ミシマ:「うーん、でもね。なんか『今度こそちゃんとやろう』って思うけど、結局ずるずるいっちゃうんだよね。」
モトヨシ:「ミシマってやる時はめちゃくちゃやるけど、やらない時はゲームばっかだもんな。」
ミシマ:「そうそう。だから兼好法師の言ってることって、刺さるんだよ。『ただ今の一念』って言葉もあったでしょ?」
モトヨシ:「あったね。でも『一念』って何?念仏みたいなこと?」
ミシマ:「いや、今この瞬間の気持ちってことだよ。要するに『今』に集中しろってこと。」
モトヨシ:「なんか禅みたいだね。そういえば、漢文でも似たような話なかった?」
ミシマ:「ああ、あるある。『論語』で『学びて時に之を習う』ってやつとか。でも、あれは継続的な学習の話だから、ちょっと違うかも。」
モトヨシ:「え、違うの?同じように勉強の話じゃないの?」
ミシマ:「うーん、似てるけど微妙に違うんだよね。『論語』は『続けることが大事』って感じで、ここでは『今この瞬間が大事』って感じ。」
モトヨシ:「よくわからないけど、とりあえず、今勉強しろってことかな?」
ミシマ:「まあ、そんなところかな。でも、今日はもう疲れたからやる気出ない…。」
モトヨシ:「おい、せっかくいいこと言ったのに!気持ちはよくわかるけどね。」
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