徒然草【第百二十一段】

朗   読

本   文

養ひ飼ふものには、馬・牛。繋ぎ苦しむる こそ いたましけれど、なくてかなはものなれば、いかがはせ a。犬は、守り防ぐつとめ、人にもまさりたれば、必ずあるべし。されど、家ごとにあるものなれば、ことさらに求め飼はともあり b

その外の鳥・けだもの、すべて用なきものなり。走る獣は檻にこめ、鎖をささ、飛ぶ鳥はつばさを切り、に入れられて雲を恋ひ、野山を思ふうれへ、止む時なし。その思ひ、我が身にあたりて忍び 難くは、心あら、これを楽しま 。生を苦しめて目を喜ばしむるは、けつちゅうが心なり王子猷おうしゆうが鳥を愛せ、林に遊ぶを見て、逍遥しょうようの友とし。捕へ苦しめたる あら

 およそ、「めづらしきとり、あやしき獣、国にやしな」とこそ、にもはべなれ

【参考】徒然草現代語訳つき朗読

本文中の助動詞

」「なり」「たり」「べし」「」「

」「らる」「しむ」「

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問題(む・むず)

問一 傍線部a・bの助動詞の文法的意味と活用形を答えよ。

問二 以下の傍線部の「む」のうち、「推量」となるものを記号で答えよ。

   (1)男はこの女をこそと思ふ。

   (2)思は子を法師になしたらむこそ心苦しけれ。 

   (3)子といふもの、なくてありな

   (4)心あらん人、これを楽しまや。

問三 傍線部の助動詞の意味をあとから選び、記号で答えよ。

   (1)この殿の父、討たれぬと聞いて、いかばかりか嘆き給はんずらん。

   (2)もし人手にかからば自害をせんずれば、

     〈 ア 推量 イ 意志 ウ 適当・勧誘 エ 仮定・婉曲 〉

問四 筆者が考える「犬」を飼うべき理由を簡潔に答えよ。

模 範 解 答

問一 a 意志 連帯形 b 推量 終止形

問二 (4)

問三 (1)ア (2)イ

問四 犬は家を守り、外敵を防ぐ働きが人よりも優れているから。

 

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