河原左大臣 和歌
古今和歌集十四巻(恋歌四 724首目)、小倉百人一首の第十四首目の和歌に次の歌があります。
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに
陸奥のしのぶもじずりに染められた乱れ模様のように、私の心も乱れ初めているが、いったい誰のためにこのように思い乱れているのでしょうか。きっと私ひとりのせいではなく、あなたのせいに違いありません。
作者は河原左大臣(かわらのさだいじん。822~895)。嵯峨(さが)天皇の皇子、源融(みなもとのとおる)。臣籍(しんせき=家臣となること)に降下して源氏の姓を受けて、左大臣となった。後に京都・賀茂川の河原院を邸宅としていた。

乱れそめ | マ行下二段活用「みだれそむ」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
し | 過去の助動詞「き」の連体形 |
我 | 代名詞 |
なら | 断定の助動詞「なり」の未然形 |
なく | 打消の助動詞「ず」の未然形+接尾語「く」 |
に | 接続助詞 |
「乱れそむ」…掛詞「初む」「染む」とする説もあり、上記では掛詞を踏まえて口語訳してある。

せんせー、この俳句はナニコレ?www

ええ?!俳句は五・七・五!短歌は五・七・五・七・七!

これ、短歌?www

これは和歌! 近世までに書かれたものは和歌、それ以降は短歌と呼ばれます。明治時代、正岡子規などの歌人たちが革新運動を行ったためです。

同じすぎてマジで草

内容は理解できたかな?

チョーいみぷーwww しのぶずりの乱れ模様ってナニ?

福島県信夫地方の特産品だったしのぶずりの乱れ模様!下にその説明の動画があるから見てみて!乱れ模様に恋に揺れまくる男性の気持ちを例えています。

この歌の舞台となった「文知摺観音」と乱れ模様を染めた綾形石の動画

なになに?どんな話?おもしろそ?wwww

せーらでも分かるように下に解説を載せておきます笑よく読んでみてください笑笑
舞台は福島市にある文知摺観音です。この歌の裏には悲しい恋の物語があります。
都からの按察使(巡察官)、源融(みなもとのとおる)と長者の娘・虎女の悲恋物語
遠い昔の貞観年中(9世紀半ば過ぎ)のこと。陸奥の地を訪れた源融は、村の長者の娘・虎女と出会います。日ごとに二人の情愛は深まり、融公の滞留はひと月にも及び、再会を約束し遂に都へと戻る日がやってきました。再開を待ちわびた虎女は、慕情やるかたなく「もちずり観音」に百日参りの願をかけました。
安洞院 文知摺観音HPより
その後、都からは何の便りもなく、嘆き悲しんだ虎女がふと目を遣ると、「もちずり石」に恋しい源融の姿が浮かんで見えた。しかし、近づくとそれはすぐに消えてしまい、虎女は病の床についてしまう。そこへこの歌が都の使いの者により虎女のもとに届けられた。その歌には「みちのくの忍ぶもちずり誰ゆえに みだれ染めにし我ならなくに」と、融が遠く都で恋の思いに心乱れている様子が記されていた…。

ね?ね?二人はどうなった?悲恋ってことはやっぱり?

結局、二人は二度と会うことはありませんでした。それを悲しんだ後世の人たちが文知摺観音に二人のお墓を建てたそうです。一番下の動画に写真が出て来ます。
伊勢物語 初冠
この歌は伊勢物語の初冠にも登場します。
【参照】初冠 朗読

昔、男初冠して、平城の京、春日の里に、しるよしして、狩りに往にけり。 その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男かいまみて けり。 思ほえず、ふる里にいとはしたなくてありければ、心地まどひに けり。男の、着たり ける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる。 その男、信夫摺(しのぶず)りの狩衣をなむ着たり ける。
となむ おひつきて言ひやりける。ついでおもしろきことともや思ひけむ。
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめに し 我なら なくに
といふ歌の心ばへなり。昔人は、かくいちはやきみやびをなむしける。
例) 「なり」 ピンク色は助動詞
詳しくは「初冠」【品詞分解】manapedia
昔、ある男が、元服して、奈良の都の春日の里に、その土地を領有している関係で、狩りに出かけた。その里に、たいそう若くて艶ややかで美しい姉妹が住んでいた。この男は、(その姉妹を)物影からこっそりと垣間見てしまった。思いがけず(このような寂れた京都ではない)旧都に、たいそう不釣り合いな様子で(美しい姉妹が)いたので、(男は)すっかり心を乱してしまった。男は着ていた狩衣の裾を切って、(それに)歌を書いて(姉妹に)贈った。その男は、しのぶずりの狩衣を着ていた。
春日野の若々しい紫草で染めた衣の、しのぶずりの模様が乱れているように、(私の心は、美しいあなたたちへの想いで)限りなく乱れております。
すぐに(詠んで)送った。(ことの)機会が興味深いことだと思ったのか。「およずきて」とする説もある
陸奥のしのぶもじずりの乱れ模様のように、あなた以外の誰のために心が乱れ初めた私ではないのに。
※2 乱れそめ→「染め」と「初め」の掛詞とする説もある。
という昔の歌の趣向を踏まえたものだ。昔の人は、このように(すぐ恋の歌を贈るという)激しい風流な振る舞いをした。
【注意すべき単語の意味】

かいまみ | マ行上一段活用「かいまみる」の連用形 |
て | 完了の助動詞「つ」の連用形 |
けり | 過去の助動詞「き」の連体形 |
心地まどひ | ハ行四段活用「心地まどふ」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
けり | 過去の助動詞「き」の連体形 |
も | 「も」係助詞 |
や | 「や」係助詞 疑問 |
けむ | 過去推量の助動詞「けむ」連体形 |

せんせー、コレ授業でやったニダwww

内容は分かったかな?

なんとなくアセアセ

在原業平が狩りに行った時、見かけた若い美しい姉妹に一目惚れをしたんです。その時に「乱れ模様のようにあなたたちに心乱れている」と伝えたくて、この和歌と似たような感じの和歌に仕立てたということです。

そんなこと言ってたのかwww ざいげんぎょうへいって、めっちゃ最高(^o^)

ありわらのなりひら!

はにゃ?www
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