失われた伝説の七つの勾玉を探して世界を変える
不思議な力を持つ七つの勾玉を坂本心と北条優が探す物語。不思議な勾玉の力を悪いことに使うため、心から奪おうとする八咫烏族。優と心は彼らと戦い、二つ目の勾玉を手にする。心と優は勾玉の不思議な力を借り、日本中の神社にある勾玉を探し出すため、八咫烏族に立ち向かう。七つの勾玉を手にしたものは世界を変えることが出来るという。※無断複写、転載を禁じます。©かっちゃんねる教育
失われた七つの勾玉
第一章 小志貴神社
坂本心はもうすぐ大学を卒業する。 今年の冬はとても寒かった。 特に年末に大雪が降って雪かきが大変だった。 でも、もうすぐ東北ともお別れになる。
「ねえねえ、卒業する前に神社巡りしない?」と心が言った。
「いいね、私も行きたい」景が答えると
「どこから行く?」千尋が楽しそうに言った。
心は同級生の景と千尋の三人で一時間以内で行ける神社をググった。
「小志貴神社だって。なんて読むんだろう?」心が尋ねると
「こしきじんじゃ、だって。」千尋が答えた。
「へえ。私の大阪の家の近くに甑岩神社っていうのがあるよ。」と景が言った。
三人は興味深そうにネットに書かれている情報を読んだ。
「あ、なんか伝説があるって。」すぐに心が見つけた。
「へえ、白鹿伝説?なんだろう?」景は興味深そうに言う。
「猿に襲われた中納言を白い鹿が助けたってさ。」千尋はあまり興味がないようだった。
景はナビに小志貴神社と入れた。ここから30分ほどの所に小志貴神社はあった。
「着いた!」運転していた景が叫んだ。
「やっぱり、山の中は自然がいっぱい!気持ちいい。」心が言うと
「寒いよ、ここは。」と千尋が文句を言った。
三月の下旬だというのにここはひんやりとした空気が漂っている。心が神社のそばにある案内板に気づいた。
「創建1117年だって。千年くらい前?」
「すごい古い。」と景が言う。
「牡丹獅子舞だって。」千尋が興味を示した。
三人が騒いでいるとそこへ中年の男性が近づいてきた。
「こんにちは。ようこそ、小志貴神社へ。」
「こんにちは」心が明るく挨拶をした。
「あの、ここは獅子舞あるんですか?」千尋が尋ねた。
「ありますよ、秋に。隔年で獅子舞が見られますよ。」 「隔年?」千尋が不思議そうに言った。
「一年おきです。」
「そうなんだ。」 心が三人でここへ来た理由を話し出した。
「ネットでここに伝説があるって書いてあったんですが…」心が尋ねる。
「山蔭中納言伝説ですか?それとも白馬のことかな?」
「白鹿の伝説です。」
「それだったら山蔭中納言伝説ですね。隣町の春日神社の伝説と同じやつです。」
「ここの伝説じゃないんだ。」心ががっかりした。
「伝説だからけっこういい加減でどっちが本当か分かりません。」
「なんだあ。」 心の言葉に全員微笑んだ。
「でも、もっと不思議な伝説があるんですよ。」 「え?どんな…?」景が聞いた。
「私の祖父から聞いた話ですが実は不思議な勾玉が神社のどこかにあるんです。」
「まがたま?」景が不思議そうに言った。
「あ、わかった!三つどもえみたいな形の…!」心はすぐに思いついたようだ。
「えー?どうしてそんなこと知ってるの?」千尋が驚いたように言った。
「そうそう。よく知ってますね」
「三種の神器で習ったじゃん!」
心は歴史が得意だった。天皇が即位する時に刀と鏡と勾玉がテレビで特集されていたのを思い出した。 心は中年の男性にこの神社のことを質問した。
「不思議な勾玉って、何が不思議なんですか?」
「その話は神社に行ってお話ししましょう」
「あのお、こちらの神主さんなんですか?」
「いえ、私は神主の孫です。死んだ祖父が神主でした。」
「今は神主さん、いないんですか?」
「そうです。今はさっき話した春日神社の神主さんがこの神社を兼務してくださってるんですよ。」
四人は石段を上がって神社の拝殿に着くと、その中年の男性は心たちに神社について説明した。
「ここにはアメノコヤネノミコトという神さまが祀られています。」
「聞いたことありません。」
「天照大神が岩戸に籠もった時に、外でのりとを奏上した神さまです。」
「あの、不思議な勾玉の話は?」
「そうでしたね、ははは。」
その男性は自分が神主の孫で、北条と名乗った。三人もそれぞれ自己紹介をした。
以下の問題に答えなさい。
① この話に登場する女子大生、三人の名前を答えなさい。
② 三人はなんという神社へ行ったのか?
③ そこの神社には伝説がいくつ、あったのか?
④ 中年の男性は誰の孫で、名前はなんというか?
⑤ この神社に祀られてる神様の名前を答えなさい。
この話は「失われた七つの勾玉」より、抜粋しています。
不思議な七つの勾玉を集めるといったい、なにが起こるのでしょうか?