僕はぼた餅が食べたいんだ 

ギャルでも分かるシリーズ

 (赤い花を部屋の南に挿してみたら世界が変わった

つい笑っちゃう話を読みたい?

日本史や古典に登場する様々な有名人にスポットを当て、あんな話やこんな話をパロディにして小説化。どこかで聞いたことのあるストーリーやエピソードを楽しく分かりやすいタッチで書く。楽しく読める短編集。

(ちなみにこのページはグーグル読み上げ機能を使って、聞き取りをさせ、内容を書き留める学習用に編集しています。手順はグーグル読み上げ機能を有効にした後にこのページを生徒たちに聞かせて、書き取りさせます。このページを聞き取り学習のきっかけに使用していただけたらと思います)

※無断複写、転載を禁じます。©かっちゃんねる教育

TikTock 僕はぼた餅が食べたいんだ

第三話 

僕はぼた餅が食べたいんだ 

昔々、比叡山延暦寺で修行していた小僧さんがいた。

小僧さんは毎日、朝早くからお寺の雑巾掛けやお経を読む修行ばかりで退屈だった。

お寺にはたくさんのお坊さんたちがいたが、みんなずっと年上だった。さらに、小僧さんは貴族の後取りだったので、お坊さんたちは小僧さんに変な姿は見せられないといつも気をつけていた。

ある晩、三人のお坊さんが声を潜めて、相談をしていた。

「大僧正さまに見つからないようにまちまで行って、女子たちと遊んで来ないか?」

「いいね、行こう、行こう」

「俺も行く!」

こうして、お坊さんたちはお寺で一番偉い大僧正に計画が漏れないように、普段どおりにお勤めに励んだ。

お坊さんたちの計画を、隣の部屋で、偶然聞いた小僧さんはすごく羨ましくて、自分も連れて行って欲しいと思った。実は小僧さんは、浜辺美波が大好きで、スマホの待ち受けにしていたのだ。そういうことに興味がある年ごろだったので、毎晩、可愛い女子を思って眠れなくなっていたのだ。

日が暮れて、ほかのお坊さんたちが寝静まるのを待って、三人はこっそりと部屋を出ようとした。

「もーし、こんな時間にいったい、どちらへ行かれるのか?」

小僧さんは、大僧正の声真似をして、暗闇から三人に問いかけた。慌てて、ひとりのお坊さんが答えた。

「これはこれは大僧正さま、三人でぼた餅を作ろうと思いまして、ちと台所へ行きます」

「台所じゃと?本当じゃろうな?まさか、寺を抜け出して、外へ行くのではあるまいな?」

もう一人のお坊さんが答えた。

「滅相もありません。大僧正さま、わしらは修行僧ゆえ、女子などに全く興味ございません」

小僧さんは面白くなって、ちょっと意地悪してみたくなった。

「なんと!女子じゃと?うーん、そうか、そういうつもりじゃったか!みなの気持ちはようわかった。わしにもかわいい女子を紹介するなら、今回ばかりは目をつむろう。」

三人は顔を見合わせた。

「バカ、なんでしゃべったんだ?」

「でも、大僧正が許してくれるって、言ってるんだし」

「まあ、いいんじゃないか、一緒に連れて行けば。」

三人の話は簡単にまとまった。

「大僧正さま、ぜひご一緒いたしましょう」

「よし、よし、なら、一緒に参ろう」

小僧さんはしめたと思ったが、このまま姿を見られたら、自分が、大僧正じゃないことがバレてしまう。そこで小僧さんは三人に向かってこう言った。

「ところでな、わしは昨日から歩けないほど足が痛い。わしをおんぶして連れて行ってくれまいか?」

背中に乗れば小僧さんは顔を見られずに済むはずだ。しかも、小僧さんは子供にしては背が高く、大僧正くらいの背丈があった。暗闇なら自分が偽物とは分からないだろう。

「恐れながら大僧正さま、あなたさまの大きな体をおんぶしたのでは、女子の元へ着く前に疲れ果ててしまいそうでございます」

「なんじゃと?お寺の戒律を破った者がどうなるか知らない訳ではあるまい。そんなことを言っていいのかな?」

三人は再び顔を見合わせて相談した。

「代わるがわるおんぶすれば、まちまで辿り着けるだろう」

そんな感じに話はまとまって、いっこうは出かけることになった。

「良いな、わしらはお忍びじゃ。決して顔を見られてはならぬ。しっかりと顔を隠すのじゃ」

そう言って、大僧正は身支度をしに、小僧さんの部屋へ入った。

三人は頭巾を被り、顔は黒い大きな布で隠した。目だけがギラギラと、異様に光る怪しい三人組が出来上がった。

「もしもし、出かけますぞ、お急ぎください」

一人が大僧正に化けた小僧さんのいる部屋へ声をかけた。しかし、返事がない。

「おかしいな。大僧正はおやすみになってしまったのかな?」

「まさか!」

「いやいや、起こさないでおこう。私らだけでこっそり行って来ればいいだけさ」

小僧さんは一度で返事したのでは大僧正的にキマリが悪いと考え、もう一声呼ばれて返事しようと思って黙っていたのだ。

「もう、ほっとこう。いいから、さっさと行こう」

「そうだな、そうしよう」

「一度は起こしたもんな。三人でそう証言すれば嘘だと思われないだろう」

小僧さんは慌てて、呼ばれてから五分ほど経って、

「行くよ!僕を置いて行かないで!!」

と返事した。しかし、小僧さんは大僧正の声真似をするのを忘れていた。

外から三人のお坊さんたちが大笑いするのが聞こえて来た。

小僧さんはとても恥ずかしくなって、大声でこう叫んだ。

「僕だって可愛い女子たちと、ぼた餅が食べたいんだ!」

以下の問題に答えなさい。

① 小僧さんは何というお寺で修行していたか?

② 小僧さんはお寺での修行をどう思っていたか?

③ 小僧さんは誰のファンか?

④ お坊さんたちは大僧正に化けた小僧さんをどうやって、まちまで連れて行こうと考えたのか?

⑤ お坊さんたちは小僧さんが大僧正に化けたと、どうして分かったのか?

今回は簡単だったと思いますが、どうですか?

話の流れを読めば、次の展開が想像つくようになりますよね。

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