枕草子 第二百八十段
雪のいと 高う 降りたるを、例なら ず御格子参りて、炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、「少納言よ。香炉峰の雪いかなら む。」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を 高く 上げたれば、笑はせ給ふ。
人々も「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそ寄らざり つれ。なほ、この宮の人にはさべき な めり。」と言ふ。
【アニメで古文】枕草子・雪のいと高う降りたるを(あらすじまとめ)放課後の自習室
口語訳
雪がとても高く降(り積も)っているのに、いつもと違って御格子を下ろし申しあげて、角火鉢に火をおこして、(女房たちが)世間話などして集まってお仕えしていると、(中宮様が)「少納言よ。香炉峰の雪はどうかしら。」とおっしゃるので、御格子を上げさせて、(私は)御簾を高く上げたところ、(中宮様は)お笑いになる。
仲間の女房たちも「そのようなことは知っており、歌などにまで歌うけれど、思いもよらなかった。(あなたは)やはり、この中宮様にお仕えする人としては、ふさわしいひとのようです。」と言う。
【品詞分解】雪のいと高う降りたるを』(manapedia[マナペディア])
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