アクテイブラーニング実践編 現代文
ここではアクテイブラーニング形式で実際に授業を行った時のことを説明します。進学校などで課外授業の時に過去問を解かせる時間があれば参考になるかも知れませんのでお役に立てれば幸いです。まずこの授業の進め方を生徒に説明します。授業の目的をプリントを読んで聞かせます。
アクティブラーニングの成果は先生の気持ち次第です
生徒たちは答えを簡単に出せる方法を求めてきます。彼らには「端的に答えを探せることが大事」です。私自身は最初の説明がとても重要だと思います。大学入試の過去問は時には内容読解を全くせずに答えを出すことも可能です。いわゆる構造を考えたり、接続詞などに注目すれば文章の読み取りも容易に出来ると考えられています。かし、本来は内容をしっかり理解すれば設問の意図がしっかりと掴めます。したがって、私は要約を重視してペアワークでプリントを学習させます。
以下のプリントをご覧ください
(1)[読解(インプット)](個人)
まずは15分で問題を解かせます
長文ですので生徒たちは時間が足りないかも知れません
生徒の様子を見て少し時間を延長してもいいかもしれません
(2)[説明(アウトプット)](ペアかグループ) ここがとても大事!
次に次のプリントを配布します
ここからはペアワークです
10分くらいでやらせます
文章全体の構成をプリントを使って掴みます
(3)[読解(インプット)](個人)
・自分の読み取りの誤りを(2)を元に修正
・ペアやグループで説明を聞いて要旨を確認
※分からないところは先生がまとめて解説
最初の三つの例が視覚化されるとこの話のポイントの
日本人の責任に対する感覚が掴めます
「悪いのは自分ではない」
この部分が重要です
次に英語の「リスポンシビリティ」との違いを掴みます
欧米人には「他者からの呼びかけあるいはうながしに応える」視点がある
ことを理解させます
筆者は阪神淡路大震災のときのヴォランティアブームをきっかけに
日本人の意識の中に変化が起こったことに気づきこの文章を
書いたのだろうと話します
そこから日本人の「受け身」の発想を変えていくために
必要な感覚について触れていきます
途中に設問をちらばめてありますので
途中の設問を手がかりに本文の読解も出来ます

(4)[説明(アウトプット)](ペアかグループ) クラスによっては個人
・設問について(音読の際に脱落文挿入や適語挿入は終わらせる)
・「問題を解く→答え合わせ→疑問点を話す」
※分からないところは先生がまとめて解説
この授業では設問の解答を(3)のところで行います
したがって、(4)は省略します

生徒たちは設問を解くことに必死になります
ですが、この過去問のように設問を手がかりに内容の読解が出来る問題もあります
ですから、入試の過去問を見る時は最初に軽く設問に目を通すことを伝えます
このプリントを使うと生徒たちの理解はスムーズに進むと思います。長文読解には視覚化が非常に有効です。この問題のように例示が多くて生徒たちの頭が揺さぶられる文章は大敵です。とにかく、必要な部分と流して飯部分との見分けが付くことが生徒たちには必要です。要約の練習は時間もかかります。ですが、最終的には要約は絶対に大事です。特にペアワークでお互いの読み取りをしっかり確認することが今の時点では欠かせません。来年、入試を迎える生徒たちは今からそのことに気づいて欲しいと思います。時間がかかったり、遠回しな表現を生徒たちはすごく嫌います。でも、そこにこそ真理があるんです。教える先生は彼らの要求を端的に満たすことに目を奪われがちです。しかし、結局、解法のテクニックでは彼ら自身の力にはならないことを思い出しましょう。
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