はじめに
国語の授業は「現代文」「古文」「漢文」に分かれています
1年生の授業は「国語総合」となっていて三つに分かれていません
しかし、多くの学校では現代文と古典に分けて授業を行っているでしょう
例えば私が退職の時に勤めていた学校は商業高校でしたので
カリキュラム上、「国語総合」の単位は3単位でした
しかも、二年生になると現代文だけになってしまいます
したがって、一年生の時にだけ古典を学習します
そういう特別なケースをのぞいて書いてみます
そもそも、授業時間が学校によって違います
標準は50分かと思いますが、全国で授業時間はそれぞれの学校によって違います
私も関東に来て、初めて知ったことですが
最長で80分、最短では40分という違いがありますので
お勤めの学校にあわせてお読みいただきたいと思います
50分授業の場合
導入、展開、結論という形で学習指導案を書きますね?
導入と展開と結論のバランスをどうするか考えましょう
その時間の目標がとても重要になって来ます
一つの単元を教えるに当たり、全体の流れを決めた後に
その時間の目標を考えます
大切なのはその時間に何をどう教えるかという見通しを
しっかり立てることです
導入は5分程度、展開は40分、結論(まとめ)も5分
50分授業の場合、40分が勝負になります
子供たちの集中力ややる気をいかに出させるかということに
主眼を置きましょう
昨今の高校生の傾向として作業はおとなしくやります
ですが、そこにとどまらせては学力向上にはつながりません
次の段階として自分が理解した物を説明することがとても重要です
説明できる力をつけることは深い理解につながります
具体的に以下のプリントを使った授業のシミュレーションをしてみます
「枕草子」のプリントを使った授業の進め方
このプリントは合計二時間で行うことを想定して作っています
したがって、50分で実施する場合は前段と後段に二回に分けてご指導下さい
(「とて、かたうあらがひつ」までを前段とします)
生徒の実情に応じて適宜、時間は変えてください
【前 段】
枕草子の簡単な説明をします(5分)
1 音読(範読)→一斉読み、ペアで読む、グループで読む、リレー読み
この授業の重要ポイント(私はここに40分かけたこともあります笑)
2 訳を考えさせる(目安は10分です)
学校で使ってる辞書や単語集などで調べさせます
見つからない場合はそこを飛ばしてかまわないことを告げます
3 主語を考える(目安は10分です)
(A)~(C)に入る人物は誰なのか考えさせる
その際、私はペアワークをさせるようにしています
もしくはグループワークなども有効です
ここはまず、お互いに読み取った内容を話し合います(自然とそうなります)
ここでの先生の役目は机間巡視をして授業に参加していない生徒を確認します
その際にどこでやる気を失ったか、つまずいているところを確認します
適宜、アドバイスをしながら授業に参加させます
4 答えの確認と解説(20分)
口語訳の確認と主語の確認をしていきます
すべて生徒に答えさせる手順を変えずに進んでください
先生が一人で解説した方が早いのはわかりますが
ここで重要なのは生徒の主体的な活動です
時間短縮を考えるなら口語訳をしながら後ろの設問を解きます
設問の解説
問一はプリントの中にヒントがたくさんありますので分かりやすいはずです
(B)を「下級役人たち」と答える生徒がいますのでしっかり内容を考えさせます
問二はリード文に口語訳があります(気づいた人はいますか?と聞いてください)
「ありなむ」の「あり」はラ変の連用形・「な」は強意の助動詞・未然形、
「む」は推量の助動詞・終止形。
選択肢のア「願望」の終助詞、ウ「係助詞」、
エ「往ぬ」未然形活用語尾+意志の助動詞「むず」の一部
問三を説明したあたりで時間いっぱいかと思います
最後に生徒が分かりにくかったところをもう一度確認します(5分)
前段は以上になります
【後 段】
前時の簡単な確認(登場人物・内容)をします(5分)
1 前時同様に音読(範読)→一斉読み、ペアで読む、グループで読む、リレー読み
やっぱり重要ポイント
2 後半の訳を考えさせる(目安は10分です)
一度やっているので前回よりはスムーズに行くはずです
単語の訳が見つからない場合は飛ばしてかまわないことを告げます
3 主語を考える(目安は10分です)
(A)~(D)に入る人物は誰なのか考えさせる
残っているのは(D)ですから簡単に見つかると思います
次にペアかグループでお互いに読み取った内容を話し合います
先生の机間巡視は前時と同じです
適宜、アドバイスをしながら授業に参加させます
歌が出てきますが分かりやすい歌なので心配はありません
4 答えの確認と解説(20分)
口語訳の確認と主語の確認をしていきます
すべて生徒に答えさせる手順を変えずに進んでください
先生が一人で解説した方が早いのはわかりますが
ここで重要なのは生徒の主体的な活動です
時間短縮を考えるなら口語訳をしながら後ろの設問を解きます
設問の解説
問五は「ふりにけるかな」に「雪が降った」の「降る」と
「時間が経った」の「古る(経る)」が掛けられています
(B)を「下級役人たち」と答える生徒がいますのでしっかり内容を考えさせます
問六の口語訳のポイントですが「いみじう」が「ひどく」になっていることと
「あやし」が「不思議だ」という意味に捉えられていることです
おおまかなところが理解されていればいいかと思います
後半のポイントは内容解説です
「白山の観音」に祈るのはいつも雪をたたえて溶けることのない白山の山を
思いだし、雪が溶けないように祈る清少納言
変化をせずに宮中に戻る忠隆に作者は変だと思う
中宮定子は「きっと上手に変化しようと思った
(けど、出来ずに返ったのでしょう)」というあたりを解説すればいいかと
思います
【参考】に載せた文章はなかなか面白いのでぜひ見るといいかと思います
5 最後にまとめをしておしまいです
いかがでしょうか?
どんなに準備しても完璧に授業が出来るということはありません
なぜなら先生も高校生も「人間」だからです!
その日の体調や気分に左右されます
毎日、勉強なんかやりたいはずはありません
教える側も人間です
いろいろ抱えて先生してますよね
だから、お互いのため楽しくやりたい
楽しく授業する方法を考えましょう!
私のオススメはリレー読みです!
生徒のモチベーションがきっと上がりますよ!
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