係助詞

係助詞とは何か?

「係り結び」は文の内容を強調したり,疑問を表したりします。文中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」(係助詞)が出てきたら,「文末」が「連体形」や「已然形」になります。

  • 花咲きけり。(桜の花が咲いた)
  • 咲きける。(桜の花が咲いたなあ)

そのほかの例文

ぞ  →連体形 ・朝ぞひときはめでたき。(「めでたし」の「連体形」)
なむ →連体形 ・みやつことなむいひける。(「けり」の「連体形」)
や  →連体形 ・惜しむべきやうや ある。(「あり」の「連体形」)
か  →連体形 ・いづれの山か天に近き。(「近し」の「連体形」)
こそ →已然形 ・〜とこそ聞こえけれ。(「けり」の「已然形」)
※「こそ」だけが已然形 と覚えよう。

※「は・も」の結びは終止形(強意)ただし、係り結びとしては扱わない。

係助詞は活用語の特定の形が下に来ますね。この基本はみんなも知ってる通りです。「強意」というのは基本的には訳しません、というより訳せません。意味を強めているというのは簡単に言うと語調を整えている、リズムや語感をよくするというと分かりやすいでしょうか。基本的な係り結びについては下の問題をやってみましょう!

  • 「一」の1の答え「取り立て・区別」を疑問に思うかも知れません。口語文法と同じで「私は行く。あなたは行かない」というときに使うのと同じです。
  • 「二」では「か」に注意します。疑問になることをここでしっかり押させておきましょう。「やは」「かは」は反語ですね。「どうして~か。いや、~ではない」と口語訳する習慣をきちんと付けることが学校の古文では大切です。

特殊な係り結び

「こそ」の逆説用法(こそ+已然形、)

【例 文】

 さこそ言へ、

 【訳】そうは言うが、

もぞ・もこそ
  1. も(係助・強調)+ぞ(係助・強調) 連体形
  2. も(係助・強調)+こそ(係助・強調) 已然形  
    • ⇒「~したら困る」「~したら大変だ」

【例 文】

 雨もぞ降る

 【訳】雨が降ったら大変だ。

 烏(からす)などもこそ見つくれ。

 【訳】 (すずめの子を)烏などが見つけたら大変だ。

結びの省略

【例 文】

いかなることのあるに(あら)。

【訳】どのようなことがあるだろうか、いやないだろう。

【結びの省略のパターン】

覚えておくと便利なのが省略のパターンです。

       にや              あらむ・ありける
       にか              あらむ・ありける
       にこそ              あれ・あらめ・ありけめ
       とぞ              言ふ・聞く・思ふ
       となむ              言ふ・聞く・思ふ
       とや              言ふ・聞く・思ふ
       とか              言ふ・聞く・思ふ
       とこそ              あらめ
結びの消滅(流れ)

【例 文】

当時、御方に東国の勢何万騎あるらめども、(本来は「らむ」)

【訳】現在では、味方として東国の軍勢が何万騎があるだろう

係り結びの破格

【例 文】

 いとおそろしきまでぞ覚ゆ 「ぞ」+終止形

 今日なんいとあつし    「なん」+終止形 

以上、係助詞の説明でした。次に下の問題をやってみましょう

最後に読解問題を解いてみましょう!

まとめ

古文を学習していると係助詞(係り結びの法則)はよく目にすることになりますのでしっかり覚えましょう!ここが定着していないままだと問題を解くときにかなり影響が出ます。見落としやすいものもありますので反復練習をすることが重要です。

2024年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031