日本の教育のウラオモテ~学校の役割と存在意義~

塾が必要だと考えている人が約7割

ここでは次のことについてまとめました

1:塾が必要だと考えている人が7割

2:塾は情報を売る場

3:学校の果たすべき役割と存在意義

この前のテストの成績を親に見せたら塾に行けって言い出したんだ

私は小学校五年生から行ってるよ

だから、成績いいのか

塾って先生がやさしいし、学校じゃ習わないことも教えてくれるんだよ

そうなんだ!でも、夜まで勉強するのはイヤだなあ…ゲームできなくなるし

私は親が高いお金を払ってくれてるから、頑張らないとって思ってるよ

先日、インスタグラムのストーリーで

アンケートをとったら

回答した人の約7割が塾は必要と答えました

これには自分もびっくりしました

大都市では電車の窓から眺めるとあちこちの駅に

いくつもの塾の看板が見えます

私はこんなにも塾の需要が高いのかと驚きました

日本で一番、子供の数が多いのは神奈川県で

高校数も日本一です

ドカベンで有名な明訓高校も

神奈川県の設定で

甲子園出場にするために

日本一の激戦区を常に勝ち続けるという

設定でした

子供の数が多いのは地方から見ればとてもうらやましいことです

大都市で塾が多いのは子供の数に比例しているからだと思っていました

でも、塾の数が多いのはそれとは違った理由があると思います

《大都市に塾が多い理由》として考えられること

  学校では勉強が分からない生徒が多いから

なぜ分からないか?

学校の先生の授業がいい加減だから(学校を信頼してない)

(1)ある進学校の定期考査では習ってもいないことがテストで出題される

   (例えば1年生の漢文で白文だけで出題する→全く分からない→落ちこぼれる)

(2)学校で夏休みや冬休みの長期休暇中に課外授業を行わない

   (赤点を取った生徒に補習授業をやるだけ→発展的な学習をする場がない)

(3)授業中にテストの採点をしている先生が一部いる

   (生徒は授業中にスマホで遊ぶ→勉強する気にならない)

  

当然、これらが塾へ通う理由の全てではない(純粋に学力を上げたいなど)

のですが

このような理由で高いお金を払って子供たちを

塾へ通わせているのだと思います

塾は情報を売る場

私は高校教師として

30年以上勤めました

定時制高校から始まって進学校や実業高校も

経験しました

特に進学校では夏と冬の課外授業はなくてはならない

もので、普段の授業とはまったく違うテキストを使い

1クラス40人の生徒たちを相手に

90分の授業を立て続けに3コマ行うというのが

通例でした(大都市では塾で行われていること)

そう考えると、都市部の学校の先生と違って

地方の学校の先生たちは塾の先生役と学校の先生役と二役を

担っていることになります

私は現在、毎日様々な高校の生徒たちと

ひとつの教室で一緒に勉強しています

だいぶ、環境に慣れてきたように感じていますが

やはり、いまだに違和感はあります

私が塾に感じる違和感

授業しかしない

 (塾だから当然ですが授業以外の関わりが生徒を理解するには大事)

生徒に必要以上に気をつかう

 (生徒たちの評判を教師は異常に気にする)

・一週間に一度しかその授業がない

テキストや試験の問題が学校の使うホンモノの教科書とちがう

 (大学入試の難問を生徒が驚くような解法を示すために

  自分で扱いやすいように手を入れたテキストや試験問題を使う

  →古文などオリジナルと変わってしまって訳せなくなる)

そして、何よりも

塾では生徒がお客さんであること

私が最も塾に感じる違和感はそれです

先生と生徒とは互いに尊敬し合い、礼儀をわきまえ

時間や場所を共有し、一緒に学ぶことが教育と考えています

学校では

日常的な清掃などの役割があり

それが毎日、当たり前に行われ

できなかったら先生に注意され

子供たちは大人になっていきます

もちろん、衝突してイヤな気分になることもありますが

毎日、顔を合わせてお互いを理解すれば

そういう部分も自然となくなります

残念ながら塾ではそういう関係にまでなれません

あくまでもお金をもらって情報を提供する

だから、塾は情報を売る場だと思うのです

学校の果たすべき役割と存在意義

私の違和感についてインスタグラムの

ストーリーに投稿したところ

ある個別塾の先生から次のような

メッセージが来ました

自分で扱いやすいように手を入れたテキストや試験問題を使う

ことについて

どこも塾のやり方は酷似していて

ベテランになればなるほどその傾向があると

言います

もちろん、それが生徒たちに役立つ(受験に役立つ)

のであればそれが生徒にとって一番必要なものだから

一般的にはいいことだと思います

わたしはここで改めて今の学校の現状と危機について

述べたいと思います

この、ある塾の先生のメッセージも示唆していますが

公的な教育機関(公立高校など)が弱体化、画一化して

影響力を失ったことが現在の教育の最大の問題だと思います

日本における公教育が「終わっている」と

内田樹は言います(「学校教育の終わり」)

私もこのブログの一番最初で扱いましたが

現在の公立高校の実態は

決して個性の伸長などと言うものにはつながりません

まして、教師のモチベーションを上げることなどには

つながらないのです

では、このような学校に未来はあるのでしょうか?

今のところ、答えは「No」です

内田樹が言うように

もはや、わずかな希望は私立学校にしか

残されていません

その理由は公立学校に比べ

比較的自由な、特色ある教育ができるからです

学校の果たすべき役割

生徒も親も学校・教師を信頼して知識の習得や人間性を涵養できる場となること

学校の存在意義

学校に関わるもの全てが安心して自然や歴史からの学びを実践できる場であること

最後まで読んでいただきありがとうございました


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